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2025年6月13日、イスラエルのテルアビブ上空でミサイルを迎撃する防空システム「アイアンドーム」=AP

 イスラエルによる攻撃に対し、イランは13日夜、弾道ミサイルによる報復を実施し、その成果を強調している。一方で、与えた被害の全容は明らかになっていない。イスラエルが攻撃継続を示唆するなか、イランはどう対応するのか。

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 イランの国営通信などによると、13日未明から午後にかけて、中部ナタンズなどの核関連施設、首都テヘランにある軍や革命防衛隊最高幹部、核科学者らの所在地、北部タブリーズや南部シラーズなど複数の都市にある空軍基地などが断続的に爆撃を受けた。ナタンズの核施設は、時間をおいて2度攻撃された模様だ。

 イラン原子力庁の報道官は13日、イランメディアに「ナタンズの施設内で化学物質と放射性物質の汚染を検出したが、施設外には漏出していない」と語ったが、詳細は明らかになっていない。

ドローン、弾道ミサイルによる報復

 一連の攻撃で少なくとも78人が死亡し、320人以上が負傷した。政府は多くが民間人だとしている。イラン赤新月社によると、負傷者は国内12州にわたっている。

 テヘランの人々の間では、最高度の警備体制下で居場所は機密と考えられていたバゲリ参謀総長、サラミ革命防衛隊総司令官、革命防衛隊で弾道ミサイルなど担当するハジザデ司令官ら最高幹部の殺害を防げなかったことにショックが広がっている。

 無人機(ドローン)と弾道ミサイルによる報復攻撃もどれだけ効果を上げたか明らかになっていない。イランの防衛戦略の柱の一つだった中東の親イラン武装勢力ネットワーク「抵抗の枢軸」がイスラエルとの戦闘で弱体化しているなかで、イランがイスラエルと全面対決する場合の軍事的な選択肢には不明な点が多い。

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 外交的には、4月から続けて…

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