千葉県勝浦沖の高級魚キンメダイの漁獲量は近年安定しているが、今季は異変が起きた。釣り上げる際にイルカやマグロの群れに一網打尽にされる被害が目立ったためだ。漁師らは県や専門家などに相談したり、イルカを襲うこともあるシャチの尿を海にまいたりするなどしたが、有効策は見いだせず、頭を悩ませている。
「ここまでひどいのは今季になってから。海がこれまでとは変わってきている」。勝浦市、鴨川市、御宿町の16船団でつくる「県沿岸小型漁船漁業協同組合」のキンメ部会長・吉野文仁さん(55)は、海を見ながらため息まじりに話す。今季はキンメダイを釣り上げる際に、イルカの群れに食べ尽くされることが多かったという。
1966年設立の同組合は、勝浦沖の漁場でのキンメダイ漁の操業時間を厳格化し、産卵期を含む7~9月は自主禁漁とするなど、様々な自主ルールを設けて資源管理に努めてきた。その効果により安定した漁獲量が維持されてきた。
漁に出れば出るほど赤字に
だが今季はこれまでとは異な…