ホンダは17日夜、打ち上げた小型ロケットを着陸させて再利用するための実験に成功したと発表した。離着陸実験に成功したのは国内の民間企業で初めてだという。
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同社は2019年に宇宙分野のチームを立ち上げ、人工衛星を搭載できる小型ロケットの開発に取り組んできた。ロケットを再利用できると、使い捨てよりも打ち上げ頻度の向上やコスト削減が図れる。事業化は決まっていないが、29年までに高度100キロ程度の「準軌道」に到達させる目標を掲げている。
実験は17日夕方、北海道大樹町で行った。発射された小型ロケットは高度約300メートルまで到達した後、目標地点に戻った。地点との誤差は37センチで、目標の5メートル以内を上回る精度だった。機体は全長6.3メートル、直径85センチ、燃料などを含まない重量は900キロ。車の制御やエンジンの燃焼技術を活用したという。
ロケットの再利用技術では、ロケットの打ち上げで「世界一強」の米スペースXが既に商用化につなげ、実績を積み上げている。国内では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)も再利用ロケットの研究開発を進めている。