祇園祭の後祭(あとまつり)の山鉾(やまほこ)巡行(7月24日)でしんがりを務める大船(おおふね)鉾を飾る下水引(したみずひき)が復元新調された。四条町大船鉾保存会(京都市下京区)が18日、京都文化博物館(中京区)で披露した。
新調されたのは、迫力のある大波や翼のある竜のような姿をした飛び魚を刺繡(ししゅう)であらわした「緋羅紗地波濤飛魚文肉入(ひらしゃじはとうとびうおもんにくいり)刺繡」(下水引一番)と、綴織(つづれおり)技法による「金地彩雲草花文(きんじさいうんくさばなもん)綴織」(下水引二番)。一番、二番とも6枚ずつつくった。一番、二番を上下であわせて、大船鉾の右舷、左舷に飾るという。
大船鉾は幕末に焼失したが2014年、150年ぶりに巡行に復帰した。保存会は江戸時代後期(文化年間)の刺繡幕などを参考に、6年かけて下水引の新調事業をしてきた。木村宣介理事長は「後世に残せるものができました」と話した。