都内で最も西に位置する市の一つで、子育て世代の移住・定住を促進している東京都青梅市が遠距離通勤する住民に出す支援金への申請が急増している。今年3月から始まったJR中央快速・青梅線の有料グリーン車の利用者が多いためとみられる。市は年度当初の予算を早々に使い切りそうだとして、追加する方針だ。
子育て世代などに対し、市への移住を促したり、就職や転職を機に職場に近い市外への転出を食い止めたりする策として、2023年7月に遠距離通勤を有意義にするための支援金制度を始めた。市によると、移住・定住促進のため、遠距離通勤に補助を出すのは極めて珍しいという。
対象は39歳以下で、市内に引っ越し通勤距離が40キロ以上の移住者と、40キロ以上離れた事業所に就職したり転職をしたりした市民。年最大6万円を移住者は最長3年、もとからの住民は同1年に限りもらえる。例えば青梅駅から新宿駅までが45.7キロで、市内から都心に通う会社員はほぼ当てはまる。
グリーン車有料化の3月半ばまでは申請低調だったのに
使い道に制約はない。市は通勤途中の読書、音楽鑑賞の経費や疲れを取るためのマッサージ代に充てることなどを想定した。ただ、23年度の支給は36件。24年度も76件で、約900万円の当初予算のほぼ約3分の1の支給にとどまった。
だが、今年に入り、申請が大…
