立憲民主党の野田佳彦代表は19日の記者会見で、内閣不信任決議案の今国会での提出を見送ると表明した。「不信任案を提出して政治空白を作ることを回避すべきだと判断した」と述べた。
野田氏は会見で、「与野党党首会談で米国の高関税措置の対応、国難という認識を共有している。交渉をやっている最中に（政府の）足を引っ張るべきではない」と強調。イスラエルとイランの交戦を踏まえ、「政治空白をつくるべきではないと首相経験者（の自ら）として思った」と述べた。
野田氏はこの日、表明に先立ち日米首脳会談に関する石破茂首相との与野党党首会談に出席。その後、日本維新の会の前原誠司共同代表、国民民主党の玉木雄一郎代表とそれぞれ会談し、不信任案を提出しない考えを伝えた。
前原氏は会談後、記者団に「我が党としてのコメントは吉村洋文代表と相談してから出したい」としつつ、「首相経験者の野田氏がおっしゃったことには重みがあると感じている」と述べた。一方、国民民主の玉木氏は「正直申し上げると拍子抜けだ。もっと（石破政権と）戦うのかと思っていた」と指摘した。
不信任案が可決された場合、首相は衆院解散か内閣総辞職を迫られる。首相は不信任案が提出された場合、採決を待たずに衆院を解散する意向を周囲に示してきた。立憲は不信任案を単独提出できる議席を持つ唯一の野党であり、野田氏の判断が国会最終盤での与野党攻防の焦点となっていた。
野田氏は不信任案提出に伴う…
