通常国会は20日、事実上閉会した。「7月3日公示、同20日投開票」の参院選日程も固まり、与野党が決戦へ一斉に走り出す。「国民の信任」を得て政権運営を安定させたい与党と、昨年の衆院選のような切り崩しをねらう野党のぶつかり合いは、日本の針路を占う重要な戦いになる。
20日午後、衆院本会議が終わると石破茂首相は各党へあいさつに回った。前日、内閣不信任決議案の提出見送りを決めた立憲民主党の野田佳彦代表には「ご面倒をかけました」と一礼し、笑顔で握手した。少数与党の中で通常国会を乗り切った安堵(あんど)がにじんだ。
首相にとって、参院選は国民から中間評価を受ける重要な機会になる。昨年の衆院選で目標に掲げた「与党過半数」に届かなかったのに政権を継続できたのは、就任から日が浅く、責任論に至らなかったからだ。7月には政権発足から10カ月目に入る今回は、石破政権そのものが問われることになる。
「事実上の政権選択選挙だ」
とりわけ選挙の当事者である…