Smiley face
写真・図版
環境問題を切り口とした社会変革をライフワークに音楽人と弁護士、二つの人生を歩む。東京地裁での口頭弁論の翌週には、下北沢のライブハウスでステージに立っていた(中央)=東京都世田谷区、鬼室黎撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版

ミュージシャン・弁護士 島昭宏さん

 41歳の誕生日の朝、ベッドの中で考えた。16歳でロックバンドを始め、それなりにハッピーにやってきた。業界ではベテランと言われる年齢になった。「でも、1ミリも社会を変えられてない。何のインパクトも与えてない」。初心に返ろう。もう一つ別の人生を生きるとしたら、俺は何をしたい? 自問自答し、次に進む道を定めた。弁護士だ。

 有吉佐和子の「複合汚染」に感銘を受けたのは中学1年の時だった。「社会を変革しないと未来はない。俺は環境問題をテーマに社会を変える」。ライフワークができた。でも、具体的に何をするか……。

 地元・名古屋の東海高校に在学中、パンクロックに出合った。1970年代後半、セックス・ピストルズやザ・クラッシュが世界の音楽シーンを席巻していた。彼らの音楽に触れて確信する。「ロックで社会をひっくり返せる。これで生きる」。仲間とバンドを組んだ。早稲田大学に進んだのもロックで生きるため。「東京に行くのが目的。大学進学は親を納得させるのに必要だった」

「ノー・ニュークス権」掲げて裁判

 新しいムーブメントを起こそ…

共有