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不起訴不当と判断した議決書=根本快撮影

 兵庫県三田市で昨年5月に発生した交通死亡事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑に問われた男性(46)を神戸地検が不起訴とした判断について、神戸第一検察審査会が「不起訴不当」とする議決をしたことがわかった。議決は4日付。

 議決書などによると、男性は昨年5月12日午前1時ごろ、三田市内でバイクを運転中、道路に横たわっていた男性(当時30)と衝突して重傷を負わせ、救護することなく逃走したとして、同日逮捕された。重傷を負った男性は同29日に死亡した。

 神戸地検は昨年6月、両容疑について不起訴とした。だが議決書は、事故前後に被害者の存在を認識していたかなどについて「検察官の判断に疑問を感じる」と指摘し、「再度十分な捜査の上、両罪の不起訴処分について再考されるよう求める」とした。

 神戸地検の松居徹郎次席検事は「議決内容を検討の上、適切に対処する」としている。

 検察審査会は、検察が不起訴とした事件について、国民からくじで選ばれた11人が不起訴の妥当性を審査する制度。

 審査を経て、起訴をすべきである(起訴相当)、更に詳しく捜査をすべきである(不起訴不当)、不起訴処分は相当である(不起訴相当)のいずれかの議決を出す。

 起訴相当または不起訴不当となった場合、検察官は再度捜査し、改めて起訴、不起訴を判断する。

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