「特効薬ができたので、これから飲んでもらいます」
戦中の1944年のはじめごろ、国立ハンセン病療養所、大島青松園(高松市)で、他の若い入所者らとともに、松本常二さん(93)は、園の医師からこんな説明を受けた。同園には、虹波を入所者に投与したとする記録が残っている。
- 開発中の薬をハンセン病患者に投与 戦中戦後、熊本以外の5施設でも
42年7月に入所し、現在も園で暮らす松本さんの記憶によると、ハンセン病の治療名目で「薄い、平べったいような錠剤」を1日1錠、昼前に飲まされた。
その後、意識がボーッとして…