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戦時中、大島青松園で虹波を投与された体験について話す松本常二さん=2024年12月23日、高松市庵治町大島、吉田啓撮影
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 「特効薬ができたので、これから飲んでもらいます」

 戦中の1944年のはじめごろ、国立ハンセン病療養所、大島青松園(高松市)で、他の若い入所者らとともに、松本常二さん(93)は、園の医師からこんな説明を受けた。同園には、虹波を入所者に投与したとする記録が残っている。

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 42年7月に入所し、現在も園で暮らす松本さんの記憶によると、ハンセン病の治療名目で「薄い、平べったいような錠剤」を1日1錠、昼前に飲まされた。

 その後、意識がボーッとして…

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