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「タイレルP34」(奥)とそのプラモデル=東京・新橋、嶋田達也撮影

 約50年前、常識を破る6輪車で登場したF1マシン「タイレル(ティレル)P34」。その実車が模型・プラモデル大手のタミヤ直営施設(東京・新橋)で展示され、多くの人が訪れている。P34のプラモデルは、実車の登場直後にタミヤが製品化。仕様を変更しながら今も販売が続くロングセラー商品だ。半世紀にわたって人々を引きつける6輪車とプラモデル。その秘密を探った。

 P34は1976年5月のF1に登場し、翌月には初優勝を飾った。同年10月、富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開催された日本初のF1レースでは、車体に「たいれる」と、ひらがなでチーム名を表記。雨の中行われた決勝では2位に入り、日本のファンに鮮烈な印象を残した。

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1976年、日本で初めて開催されたF1レースで走る6輪車「タイレルP34」。チーム名は「たいれる」、選手名は「どぱいえ」とひらがなで表記されていた
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東京・新橋の「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」で展示されている「タイレルP34」=嶋田達也撮影

 前輪が四つで後輪が二つ。前輪は他のマシンよりも小さく、空気抵抗を減らしてスピードを上げる効果を狙っていた。また、前輪の数を増やすことでブレーキ性能を上げ、さらにはタイヤが地面に接地する力を高め、高速でカーブを曲がることも期待された。

登場直後にプラモデル化された「タイレルP34」。実車は2年で消えましたが、プラモデルは今も販売が続いています。設計当時の思いや、長く続く人気の理由を探ります。

 「タミヤ」(本社・静岡市)…

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