Smiley face

 「アイスランド大統領と考える ジェンダー平等のつくりかた」(朝日新聞社、津田塾大学、アイスランド大使館共催)が5月31日、津田塾大で開催され、アイスランドのハトラ・トーマスドッティル大統領が、超党派でつくる「クオータ制実現に向けての勉強会」の女性国会議員や大学生らと、女性の政治進出や、ジェンダー平等が社会に何をもたらすかなどについて意見を交わしました。議論を詳報します。

記者サロン「アイスランド大統領と考える ジェンダー平等のつくりかた」

 第1部の大統領のスピーチと、第2部は、記者サロンとして配信しています。申し込みは9月30日(火)20:00まで(配信は同日23:59まで)

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津田塾大生に拍手で迎えられ、笑顔を見せるアイスランドのハトラ・トーマスドッティル大統領(左)=2025年5月31日、東京都渋谷区、井手さゆり撮影
  • 「女性に欠けている能力は…」 アイスランド大統領からのメッセージ

登壇者のみなさん(敬称略)

アイスランド大統領 ハトラ・トーマスドッティル▽レイキャビク市長 ヘイザ・ビョルグ・ヒルミスドッティル

自民党衆院議員 牧島かれん▽立憲民主党衆院議員 吉田晴美▽日本維新の会参院議員 石井苗子▽公明党参院議員 伊藤孝江▽国民民主党衆院議員 円より子▽日本共産党参院議員 吉良佳子▽れいわ新選組衆院議員 櫛渕万里▽社民党参院議員 福島瑞穂

津田塾大学総合政策学部4年 上野真歩、永渕真緒、山内萌

日本若者協議会代表理事 室橋祐貴

朝日新聞記者 川西めいこ=第2部コーディネーター

ジャーナリスト 長野智子=総合司会

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スピーチをするアイスランドのハトラ・トーマスドッティル大統領=2025年5月31日、東京都渋谷区、井手さゆり撮影

第1部 政治のジェンダー平等、実現への道筋は

 ●大統領 ジェンダーギャップをなくすことがなぜ重要なのか。もちろん、女性や女の子のエンパワーメントも大事だが、未来に適したリーダーシップ、経済と社会を繁栄させるために、すべての才能を解き放つ、革新的な経済の構築、持続可能性、包括性、平和などの価値観にも関係がある。

 世界はいま、あまりうまく機能していない。戦争、気候と環境の危機、偽情報や誤情報、不平等。私たちは「何をするか」だけでなく、「どのように行うか」を再考する必要がある。

 そのためには、リーダーシップを発揮する女性を増やす必要がある。誰もが繁栄できる社会、平和な世界が必要だ。それは、ジェンダーギャップを埋めることで達成できると確信している。

 本当は誰も怒らせたくないが、アイスランドは「いい子」でいるだけではこの地位を達成できなかった。いたずらをし、ときには少し怒ったが、私たちは連帯と喜びの中で、私たち全員がアイスランド人であることを強く誇りに思う何かを追求してきた。皆さんにもそれができるはずだ。

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女性国会議員たちとの討論で発言するアイスランドのハトラ・トーマスドッティル大統領(奥中央)=2025年5月31日、東京都渋谷区、井手さゆり撮影

 ●長野智子 日本の現在地は、ジェンダーギャップ指数で世界118位。特に政治分野、経済分野が低い。

 ●大統領 アイスランドのジェンダー平等は50年前、女性によるストライキ「女性の休日」から始まった。左から右まで女性がみんな連帯し、家庭でも職場でも働かず、女性が働かなければ社会が何も機能しないことを示した。

 その5年後、私たちは勇気を…

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