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大阪・関西万博の大屋根リングの下では、休む学生の姿があった=2025年6月18日午後1時23分、大阪市此花区、小林一茂撮影

 大阪・関西万博で暑さにより体調を崩し、会場の救護施設を利用した中学生が、体調が回復しないまま20分で退出させられた――。そんな事例があったとして、大阪教職員組合などは、救護施設の充実などの熱中症対策の強化を求めている。

 27日に記者会見した同教組などによると、5月下旬に校外学習で来場した中学生は、熱中症のような症状を訴え、救護施設で手当てを受け休憩した。だが、約20分経つと退出させられ、やむなく屋外の大屋根リングの下の日陰のベンチに横たわって休んだという。

 万博協会によると、会場内の救護施設は重症者らへの対応能力を確保するため、おおむね20分をめどに声をかけ、退出や帰宅の判断をお願いしているという。広報担当者は「引き続き静養してもらうこともあるが、救急搬送は必要ないけれど改善のめどが立たないという場合、帰宅して近くの医療機関を受診するよう勧めることもある」と説明する。

 同教組などは、これから夏本番を迎えるにあたり、救護施設の拡充や冷房のある休憩所の確保などの対応を万博協会に申し入れた。児童生徒の熱中症の事例としては、他にも5月下旬に校外学習で来場した小学2年の児童が熱中症とみられる症状で歩けなくなり、救護施設で寝込んだケースなどを把握しているという。

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