「私だったかもしれない」。アルコール依存症の人と暮らす家族から、痛切な声がいくつも届いた。
5月5日、広島市で起きた殺人事件。母親(80)が長男(55)を殺したとして交番に自首し、「アルコール依存症や記憶障害に苦しむ長男の将来を悲観した」と供述した。
- 「こどもの日じゃけ飲ませて」アルコール依存症で苦しむ家族、糸口は
入社したばかりの広島総局・小林晴香記者が、父親(87)に話を聞いた。長男は依存症専門病院に入退院を繰り返し、母親は心労から睡眠導入剤を手放せなくなっていたという。
犯行当日、長男は「こどもの日じゃけ、ビールくらい飲ませてよ」とせがんだ。間もなく母親は長男に酒と睡眠導入剤を飲ませ、首をしめたという。
アルコール依存症は「家族全…