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2025年6月28日、ソウル高検の庁舎に出頭する韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領=ロイター

 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領が昨年12月に出した非常戒厳をめぐり、特別検察官が28日、特殊公務執行妨害などの容疑で尹氏を初めて事情聴取した。出頭要請に応じた尹氏は29日未明に帰宅したが、特別検察官側はこの日の聴取だけでは不十分だとして、30日に再び出頭するよう求めた。これに対し、尹氏側は7月3日以降への変更を要請した。

 尹氏は非常戒厳をめぐり大統領在任中に内乱を首謀したとして逮捕、起訴されたが、後に釈放され在宅のまま公判に臨んでいる。

 大統領在職中は内乱罪などを除いて刑事上の訴追を受けない「不訴追特権」があるが、尹氏が4月に憲法裁判所に罷免(ひめん)を言い渡されて失職したため、それ以外の罪に問うことが可能になった。尹氏は、捜査当局が自身を拘束しようとするのを大統領警護庁を動員して阻止しようとした疑いなどが持たれている。

 特別検察官は今月、李在明(イジェミョン)政権の与党の主導で設置され、内乱罪以外で警察が続けてきた捜査を引き継いだ。今回の初聴取で捜査が本格化するとみられる。

 尹氏は28日午前10時ごろにソウル高検の庁舎に出頭。聯合ニュースによると29日未明の帰宅まで約15時間、庁舎内にいたが、一部の調べを拒否するなどし、実際の聴取時間は5時間余りだったという。

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