【動画】H2Aロケット50号機打ち上げ成功=日吉健吾、小川詩織、飯野祐平撮影
日本の主力ロケット「H2A」として最後の50号機が29日午前1時33分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。観測衛星「いぶきGW」が軌道に投入され、打ち上げは成功した。
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搭載された衛星は、気候変動の予測に役立てるため、二酸化炭素やメタン、海面水温などを観測する。衛星は目的によって投入する軌道や高度が異なるため、その軌道によって発射時刻が秒単位で決められた。
当初、24日に打ち上げ予定だったが、機体の電気系統の機器に異常が見つかり、交換したため日程を延期していた。
「まだ夢を見ているような状態」
打ち上げから3時間後の会見で、執行責任者を務めた三菱重工業の鈴木啓司さんは思いを語った。H2Aのこれまでを振り返り「会社生活のほとんどの日々をH2Aを堕(お)とさないために費やしてきた。50号機には『よくやってくれたね、ありがとう』と言いたい」と話した。
急成長中の宇宙ビジネス スペースXが突出
H2Aは全長53メートルの液体燃料ロケット。先代のH2ロケットの改良版として、2001年に初号機が打ち上げられた。日本の宇宙への「足」として、多い時で年間6回の打ち上げに成功した。
小惑星探査機はやぶさ2や月探査機SLIM、気象衛星ひまわりなど、24年間で計約100機の衛星を宇宙へ運んだ。
失敗は03年の6号機1回の…