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2022年3月16日、ポーランドの空港で撮影された米陸軍の地対空ミサイル「パトリオット」=ロイター

 ウクライナ各地で、ロシア軍の攻撃による民間人被害が相次いでいます。国連ウクライナ人権監視団(HRMMU)によると、今年3~5月には506人が亡くなり、2892人が負傷しました。前年同期比で、死者は16%、負傷者は64%増えています。

 ウクライナの防空態勢は弱体化しているのでしょうか。国民の命や財産を守るためには、何が必要なのでしょうか。ウクライナ空軍コミュニケーション部門トップ、ユーリ・イフナット大佐に聞きました。

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会談したウクライナのゼレンスキー大統領(左)と米国のトランプ大統領=2025年6月25日、オランダ・ハーグ、ゼレンスキー氏のSNSから

 ――ゼレンスキー大統領はオランダ・ハーグでのトランプ米大統領との会談で、米国製の地対空ミサイルシステム「パトリオット」の重要性を強調したとのことです。いくつパトリオットがあれば、ウクライナの空を守れるのでしょうか。

 質問に答える前に、パトリオットとは何かを説明する必要があります。

 パトリオットはミサイルの他に、3人が座る管制装置、一度に数十の空中標的を検知するレーダー装置、ミサイルを搭載する発射装置があり、それらを合わせて「バッテリー」と呼びます。メディアではパトリオットの何が供与されたのか、具体的に説明される機会が少ないと感じています。

 ウクライナが必要としている…

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