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 大手ゼネコン清水建設名古屋支店の社員たちが、「出社したくなるオフィス」を本気で考えた。事務系社員も参加した企画コンペでアイデアをぶつけ合い、昨年7月に完成した新オフィス。健康に配慮した建物を評価する国際認証で、東海圏で初めて最高評価を受けた。

大型モニターに管内の現場

 2フロアが吹き抜けになった一角には、巨大なモニターが置かれていた。管内の現場のようすが、リアルタイムで映し出されている。各フロアの四隅にはバルコニーがあり、気分転換で外の空気を楽しめる。

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2フロア吹き抜けの一角では、大型モニターを使った100人規模のイベントが可能だ=名古屋市の清水建設名古屋支店、同社提供

 名古屋市中区丸の内のオフィス街に昨年7月に完成した16階建ての「名古屋シミズ富国生命ビル」。施工した清水建設の名古屋支店は、10~11階の2フロアに入居している。

 1フロア約3千平方メートル。南北方向に50メートル、東西には60メートルを超える広さだが、多くの場所から奥まで見渡せる。会議室の仕切りもほとんどが透明で、視界を妨げるものが少ない。

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視界を遮るものが少なく、端から端まで見渡せるのが特徴だ=名古屋市の清水建設名古屋支店、同社提供

 受付のカウンターには飛驒産のヒノキ、壁には美濃焼のタイル。五つある応接室には、管内の旧国名が付けられていて、愛知県産の三州瓦や静岡県産の茶葉を使ったボードなど、地域の素材がふんだんに採り入れられている。

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清水建設名古屋支店の受付。カウンターには飛驒産のヒノキ材、壁には美濃焼のタイルが使われている=名古屋市中区
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応接室「駿河遠江」には天竜ヒノキや、茶葉を使ったボードが使われている=名古屋市の清水建設名古屋支店、同社提供

 「みんなで使う支店だから、みんなで作り上げよう」。新支店オフィスの計画が進む中、当時の支店長が提案した。2021年、コロナ禍のさなかのことだ。

ものづくりの会社でも

 ゼネコンは建築や土木工事を…

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