富士山は1日、山梨県側の吉田ルートが山開きした。通行料を4千円に引き上げ、「軽装登山」などへの対策を強化する。10日に開山する静岡県側の3ルートでも新たに登山規制が始まる。
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1日午前3時。吉田ルート5合目に新たに設けられた鉄製のゲートが開くと、登山者が明かりを照らしながら続々と歩いていった。山梨県によると、初日は1009人が予約を済ませ、うち約6割は海外からだった。
ゲートを一番乗りで通過した兵庫県稲美町の久留宮康之さん(79)は「山頂からの眺めが楽しみ」と話した。
オーバーツーリズム対策や危険な登山を防ぐための山梨県の規制は2年目。通行料の値上げのほか、ネットでの事前予約時に必要な装備があるかをチェックしてもらう手続きなどが加わった。
ゲートが閉まる時刻が2時間前倒しされ、通行できる時間は午前3時~午後2時になる。また、山梨県は、ゲートで登山者を指導する県職員「富士山レンジャー」に軽装登山者の通過を拒否できる権限を新たに与えた。1日4千人の上限は変わらない。
10日に開山する静岡県側の3ルート(富士宮、御殿場、須走)でも専用アプリでの事前予約と安全学習、入山料4千円が必要になり、両県で規制の足並みがほぼそろう。開山期間は9月10日まで。