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石川文洋さんインタビュー〈上〉

 報道写真家の石川文洋さん(87)は、ベトナム戦争中の米軍への従軍をはじめ、さまざまな戦場を取材してきました。今年で戦後80年、ベトナム戦争終結から50年。戦争のリアルを取材してきた石川さんに思いを聞きました。

写真・図版
自宅でカメラを手にする石川文洋さん=2025年5月16日、長野県諏訪市、翁長忠雄撮影

 ――戦争終結50年に合わせて、今春ベトナムを訪問されました。

 ベトナム外務省の招待を受け、4月25日から5月1日に2カ所を訪ねました。まず行ったのは、1966年2月に米軍が攻撃して多数の民間人が犠牲となった南部カントーです。

 米軍が(敵対する)解放軍(南ベトナム解放戦線)だと思って攻撃したのは、テト(旧正月)用の農産物を未明に運んでいた民間人でした。子どもを含む農家の人ら33人が死亡し、38人が病院に運ばれました。

 私は当時、その病院で負傷者を撮影しました。ある少女は、右腕が肩の下から、右足はひざの下から切断されて、包帯に血がにじんでいました。

 両足を失って乳を吸う乳児が…

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