Smiley face

 ヒトのiPS細胞から下あごの骨の一部をつくることに、京都大学の研究チームが成功した。iPS細胞から立体構造のあごの骨をつくったのは初めてという。マウスの下あごの骨に穴を開け、そこに移植したところ骨ができて周りの骨にくっついた。将来的には歯周病やがん治療などであごの骨を失った人への治療に役立てたいという。

写真・図版
iPS細胞でつくったあごの骨の一部(左上)。マウスのあごの穴に埋めたら生着した(中央上)。iPS細胞でつくった骨がネットワーク構造をもち骨の一部になった様子(下)。青色に染まった部分が細胞の核=本池総太・京都大学iPS細胞研究所特命助教提供

 あごの骨は、手足の骨などと違い軟骨をつくらずに集まった細胞が直接骨をつくる。研究チームはヒトの血液細胞からつくったiPS細胞で骨の細胞の元になる細胞をつくり、さらに骨を形作る骨芽細胞などに分化させ、米粒大のあごの骨の一部をつくることに成功した。

 研究チームはさらに、マウスの下あごに2ミリの穴を開け、米粒大の骨の細胞を三つ移植したところ、新たな骨ができて周りの骨にくっついたという。

 今後は、骨づくりに必要な代…

共有