昨年1月の能登半島地震で、石川県珠洲市に現れた「断層」が研究者の注目を集めた。震源になった海底活断層から離れた場所に、2メートルもの高さがある崖が出現したからだ。その後の研究で、謎はどこまで解明されたのか。
最大高さ2.4メートル、東西6キロ以上に
崖ができたのは、半島先端部を東西に流れる若山川沿い。平らだった水田は大きくたわみ、道に段差が生じた。川の下流側が持ち上がった場所や、地面が落ち込んだ場所もあった。
直線状の崖は、活断層がつくる「断層崖(がい)」にそっくりだった。最大の高さは2.4メートル。追っていくと、東西6.8キロにわたって地面がずれていた。
能登半島地震の震源になったのは、半島北岸沿いの海底活断層。震源断層が枝分かれして並走することはあるものの、この崖は10キロほど離れた内陸で、対応する地震活動もみられなかった。
では、なぜここが大きく動いたのか。
謎を解く鍵の一つが、若山川…