関税などでトランプ米政権との対立が続く中国では、一国主義的な姿勢を批判する発信が相次いでいる。欧州を訪問中の外交トップ、王毅(ワンイー)・共産党政治局員兼外相も、中国が国際秩序に「安定性」をもたらす存在であるとの発信が目立っている。
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「経済のグローバル化の問題は、グローバル化の進展の中で解決すべきだ。関税戦争から勝者は生まれない」。清華大学と中国人民外交学会が外交関係者や学者を招き、北京で開いた「世界平和フォーラム」で中国の韓正(ハンチョン)・国家副主席は3日、こう強調した。
フォーラムには日韓やアジア各国の元高官らが参加。韓氏は「多国間の貿易体制をともに守るべきだ」と訴え、国際秩序についても「弱肉強食に戻ってはいけない」と米国の動きを牽制(けんせい)した。
同日は劉建超・党中央対外連絡部長も講演し、中国の「脅威」を強調して「力による平和」を目指すとしたヘグセス米国防長官の発言を挙げて「覇権主義思想の新たな化身だ」と批判した。
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