群馬県吹奏楽連盟(羽鳥宏理事長)と群馬県中部地区吹奏楽連盟(春田美穂理事長)は7日、両連盟の銀行口座から繰越金として報告されていた計約1650万円が引き出され、不明になっていると発表した。両連盟で会計事務を担当していた50代男性職員が不適正な会計処理をしていたと説明していて、今後、両連盟は警察に被害届を提出する方針。
発表によると、昨年から県吹連の事務局に対し、複数の業者から未払いの督促が入るようになった。今年4月に実施した県吹連の2024年度の会計監査で、繰越金として報告されていた預金約1300万円のうち数千円ほどしか銀行口座に残っていないことが判明した。その後の調査で、中部地区吹連の口座でも約350万円のうち数万円しか残高がなかった。両連盟には、各種印刷費などで未払いもあるという。
男性職員は県内で自ら事業を営む傍ら、約15年前、両連盟の事務職員に採用され、1人で会計業務を担当していた。男性職員は「(引き出した資金は)県吹連と中部地区吹連、自営業の資金としてまわして、それぞれの支払いにあてていた」などと不正を認めているという。
羽鳥理事長は、7月の県中部地区吹奏楽コンクール、8月の県吹奏楽コンクールおよび県小学生バンドフェスティバル・マーチングコンテストなど今年度の事業に影響はない見通しであるとした上で、「連盟の管理が不十分で、学校や児童、生徒のみなさん、保護者、一般加盟団体のみなさまに多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くおわびします。事案の把握に努めるとともに、弁護士と相談しながら会計処理のありかたについて抜本的な見直しに取り組みたい」と謝罪した。