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インタビューに答える日本銀行の小枝淳子審議委員=2025年7月、東京都中央区、土居新平撮影

 日本銀行の小枝淳子審議委員が8日までに、朝日新聞のインタビューに応じた。コメなど食料品の物価上昇(インフレ)について「全てを金融政策で対応するのには限界がある」とし、利上げで抑え込むことに慎重な考えを示した。一方で、物価高の広がり次第では、日銀の物価目標の実現に影響を与える可能性があるとして「注視していく」と述べた。

 小枝氏は早大教授を経て、3月に就任した。

 消費者物価指数の上昇率は6カ月連続で3%を超え、日銀が目標とする2%を3年超にわたって上回る。小枝氏は「コメ価格がこの1年で2倍になったことは、一般の消費者として日々実感している」と言及。ただ、一時的な要因を除いた基調的な物価上昇率は、目標の2%に届いていないとの見方を示した。

 足元の物価高は、原材料費など生産コストの一時的な上昇といった「コストプッシュ型インフレという色が強い」とし、「全て金融政策で対応するのには限界がある」とした。ただし、「主食であるコメの価格が、家計のインフレ期待(予想物価上昇率)や基調的なインフレ率に影響する可能性がある」とし、注視していくと強調した。

「多面的」な賃上げを注視

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