Smiley face
写真・図版
フランス中部ロワレ県で2025年6月9日、国民連合(RN)の集会でステージに立つジョルダン・バルデラ党首(右)とマリーヌ・ルペン氏=ロイター

 フランスの捜査当局は9日、極右の流れをくむ右翼「国民連合(RN)」のパリの党本部などに家宅捜索に入った。前回の仏大統領選や昨年の欧州連合(EU)の議会選をめぐって、RNが支持者から運動資金を不正調達した疑いが持たれている。RNのバルデラ党首が同日明らかにした。

  • パリ五輪から1年、戻ってきた麻薬密売人 住民悲鳴「ほぼ裸の人が」

 バルデラ氏がX(旧ツイッター)に投稿した声明によると、捜査員らは9日午前にパリ南西部にある党本部など複数の関係先を捜索した。党を事実上率いるマリーヌ・ルペン氏がマクロン氏との決選投票に進んだ3年前の大統領選や、RNが大勝した昨年の欧州議会選などの選挙運動に関する資料が押収されたという。

 仏紙ルモンドによると、捜査当局は個人の支持者からRNに貸し付けられている運動資金を捜査対象にしている。フランスでは政党が支持者から資金を借り入れることは合法だが、特定の個人から運動資金の融資を「定期的」に受ける行為は違法になるという。

 RNは昨夏の総選挙で政党単位で下院の第1党に躍進するなど、近年は党勢を拡大している。一方で、仏国内の銀行は政治的中立性などを理由にRNへの資金融資を拒否しているとされ、RNの資金難が度々伝えられてきた。過去にはロシア企業からの借金が問題視されたこともある。

 次期大統領の有力候補とされ…

共有