トルコからの分離独立をめざし、40年以上、武装闘争を続けてきたクルド人の非合法組織「クルディスタン労働者党」(PKK)が11日、拠点のあるイラク北部で、武装解除を開始する式典を開いた。クルド系メディアのルダウが報じた。
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PKKは5月、収監中の指導者オジャラン氏の呼びかけに応じ、武装闘争の終了と組織の解散を宣言していた。ルダウによると、30人のメンバーがイラク北部クルド人自治区の山中で、ライフル銃などを集めて焼却したという。武装解除の完了には数カ月かかる見込み。
PKKは声明で「(トルコ政府との)和平プロセスの成功に向けた善意と決意の一歩として武器を破壊する」と宣言。オジャラン氏の解放やクルド人の権利向上に向け、民主的な手段で闘争を続けると強調した。
トルコの与党・公正発展党のチェリク報道官は同日、X(旧ツイッター)の投稿で、武装解除の「第一歩が実現した」と評価。武装解除と組織の解散を早期に完了するよう求めた。トルコ政府高官によると、政府は武装解除と解散を実現させた後に、メンバーの社会統合や国民との和平に向けて取り組む構えだ。
PKKはオジャラン氏が1978年に設立し、84年に武装闘争を開始した。トルコ政府は米英や欧州連合(EU)とともにPKKを「テロ組織」に指定しており、「一連のテロで4万人以上が犠牲になった」と主張している。