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 東北大などのチームは、プレートが沈み込むことに伴う地震の発生メカニズムについて、地下深くから水が上昇する通り道があることを、人工知能(AI)を使った解析で明らかにした。東日本大震災のような巨大地震を抑える一方、首都直下地震の発生に関与する可能性があるという。研究成果は11日、科学誌サイエンス(https://doi.org/10.1126/science.adt6389)に掲載された。

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上空1万3700メートルから見た首都圏の夜景。東京都を含む南関東地方を震源とするマグニチュード7クラスの「首都直下地震」は、今後30年以内に70%の確率で発生すると予測されている=本社機から、林敏行撮影

 地下に存在する水やマグマなどの流体は、地震を起こす引き金になる場合がある。昨年の元日に発生し、最大震度7を観測した能登半島地震でも、地下で何らかの流体が移動したことで活発化し、大きな揺れにつながったとされている。

 日本列島の地下では、海溝で沈み込んだ海側のプレートが、水を含んだ岩石を地下深部まで運び込んでいる。より深くまで沈み込んだ地点では、岩石から分離した水が地震や火山活動に影響するとされている。だが、沈み込んだ直後の浅い領域で水がどう動き、地震に関与しているかはよくわかっていなかった。

 チームの東京大の内田直希教…

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