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二本松実業の3年生。右から武田隼斗、佐久間海來、菅野諒太の3選手と女子マネジャーの渡辺美宇さん=2025年7月13日午後0時26分、ヨーク開成山、森北喜久馬撮影
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 (13日、第107回全国高校野球選手権福島大会1回戦 安積7―6二本松実)

 二本松実は、3年生の選手は3人だけ。だが、要所要所で活躍し、試合をタイブレークまで持ち込んだ。

 二回表、連打の後、菅野諒太選手が右翼に犠飛を放ち、まず1点目。その後、2点を追加した。五回裏には、安積に連続スクイズや適時打で一挙6点を奪われたが、ひるまない。

 七回表、先頭の武田隼斗主将の安打がチームを奮い立たせ、1点差まで迫った。九回表には、2死まで追い詰められながら、相手の失策や佐久間海來(かいら)選手が四球を選ぶなどして満塁とし、同点に追いついた。

 最後は振り切る形となった安積の選手や監督は「まさかここまで粘られるとは。あと1点入らなくて助かった」と肝を冷やした。

 菅野選手は「負けて悔しい。でもいいゲームだった」と振り返る。「前の自分たちだったら6点取られた後、ずるずる点差が開いてもおかしくなかった」と思うからだ。

 今年のチームのスローガンは「がむしゃら」。武田主将は「何かしら動いていれば勝機は出てくる」、佐久間選手も「そう、勝つことをあきらめちゃいけない」と言う。

 3人と一緒に入部した女子マネジャーの渡辺美宇さんはベンチから試合を見守った。「ベンチはすごく盛り上がった。忘れられない試合になりました」

もう1人のマネジャーはトランペットでエール

 二本松実側のスタンドでは、吹奏楽部も応援した。トランペットを吹く川越徠斗(らいと)さん(3年)の本業は、野球部の男子マネジャーだ。

 中学時代は吹奏楽部。その先輩に誘われ、高校から野球部にマネジャーとして入った。とはいえ野球は全くの素人で、スコアブックも満足に付けられない。休眠状態だった吹奏楽部が復活すると知り、吹奏楽部の「臨時部員」として応援することにした。

 この日は最前列に陣取り、メガホンとトランペットを交互に持ち替え、30度を超える暑さに負けないエールを送った。

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