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いじめを認定した田上町いじめ問題調査委員会の報告書

 新潟県田上町立田上中学校で2020年、1年生の男子生徒が担任教諭や同級生からいじめを受けていた問題で、町は7月にも、いじめ防止対策推進法に基づく第三者委員会を設置する方針を決めた。男子生徒の保護者が町教育委員会の調査結果を不服として再調査を求めており、第三者委は再調査が必要かどうかを判断する。

 町は6月の町議会に第三者委設置にかかる今年度補正予算案を提出し、可決されれば速やかに会合を開く方針だ。

 町教委は保護者の求めを受けて調査委員会を設け、今年2月に報告書をまとめた。それによると、担任教諭は男子生徒が1年生だった20年の1学期の頃、授業中にテストの点数が低いとしてクラス全員の前で「お前はバカか」と怒鳴りつけた。男子の同級生は生徒の答案をのぞき込んで「点数低いね」とバカにする発言をしたほか、運動が苦手でぎこちない動作をした生徒に「そんなこともできないのか」と言うなど、計4件をいじめと認定した。ほかにも「いじめ類似行為」とされたものもあった。

 男子生徒は2年生の21年9月から不登校になり、そのまま田上中を卒業した。今も当時の記憶に苦しみながらフリースクールに通っている。

 町教委の担当者は取材に「報告書の内容を受け入れる」とし、報告書を近くホームページで公開する予定だ。

 しかし、調査委は独自に関係者への聞き取りをすることもなく、いじめと不登校の因果関係を「不明」とした。男子生徒の父親は、「なぜ息子がいじめに遭わなければならなかったのか、動機が知りたい」と加害者側への聞き取りを求め、再調査を申し入れていた。

 第三者委の設置方針が決まり、父親は「ひと安心している。息子は今もフラッシュバックに苦しんでいることを加害者に知ってもらいたい。学校の対応についてもさらに検証してほしい」と話している。(井上充昌)

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