中国を訪問しているオーストラリアのアルバニージー首相が15日、北京の人民大会堂で習近平(シーチンピン)国家主席と会談した。中国国営新華社通信などが伝えた。中豪関係は改善が続いており、米トランプ政権の関税政策をにらんで経済の連携を強めることで両者の思惑は重なっている。
会談で習氏は、「中豪関係は低迷期を脱した」と指摘。中国が豪州にとって16年連続で最大の貿易相手であるとし、「中国との貿易は、豪州に着実な利益をもたらしている」と強調した。米国第一主義を唱えて各国へ関税をつきつけるトランプ氏を念頭に、「共に多国間主義と自由貿易を守る」とも述べた。
中国側の発表によると、アルバニージー氏は「中国経済とのデカップリング(分断)を望んだことはなく、順調な貿易を望んでいる」と応じた。自由貿易と世界貿易機関(WTO)のルールを守る意向を示した。台湾問題にからみ、「一つの中国」政策を堅持するとも発言したという。一方、安全保障面で中国は脅威となっており、豪メディアによると、アルバニージー氏は会談後、2月に中国軍が事前通告なしに近海で行った実弾射撃訓練について懸念を伝えたと述べたという。
ワインに大麦、消える障壁
アルバニージー氏の首相とし…