SNSや動画サイトでは視聴者の好みや行動に合わせ、似たような投稿や動画ばかりが「おすすめ」として表示されることがある。参院選の投開票日が20日に近づく中、各政党の支持者たちはユーチューブでどんな動画を見て情報収集しているのか。東京都内で開かれている街頭演説会場で、聴衆に尋ねた。あなたのスマートフォン、見せてくれませんか――。
「どれを信じてどれを取るかだよね」
14日の夕方。参政党候補者の街頭演説を最前列で聞いていた都内在住の男性会社員(59)に声を掛けた。
- YouTubeはどれだけ速く「染まる」のか 記者が実験してみると
ユーチューブで最初に表示されていたのは、1時間ほど前に配信された同党の神谷宗幣代表とタレントの対談動画だった。続いて「ディープステート(影の政府)」の解説で人気を集めるチャンネルがあった。米国のトランプ大統領の支持者の間で広がり、「陰謀論」を背景とした考えだ。
男性はコロナ禍を機に在宅でスマホを見ることが増え、政治についての情報をSNSで得るようになった。最初に関心を持ったのは、れいわ新選組。消費税廃止を主張する山本太郎代表の「演説のうまさ」にひかれた。だが、外国人労働者の受け入れ政策などで物足りなさを感じ、次第に離れていった。
参政党に興味を持つようになったのは2~3年前。こちらも神谷代表が演説する動画がきっかけで、今回の選挙では党の「日本人ファースト」というキャッチフレーズに共感した。男性は参政党を「カルト」だとする動画も見たことがあるというが、「何が本当かわからないけれど、結局どれを信じてどれを取るかだよね」と言う。
「ユーチューブは臨場感が違う」
日本維新の会を支持する東京都国分寺市の無職男性(76)のスマホも、同党候補者の街頭演説を映したライブ配信動画がトップで表示された。政党関係で見るのは維新ばかりで、反対の意見を持つ政党のチャンネルは見ない。「腹が立つことしかないから」
テレビや新聞もあまり見ない。「意見を断言しないし、制約を受けているから選挙が終わってからしか批判的なことを言わない」からだ。「ユーチューブではどんな候補者も自由に発信でき、赤裸々に主張を展開できる。臨場感が違う」
記事末尾では、各政党支持者のユーチューブ上で「おすすめ」された動画の種類をまとめています。
「玉石混交の『石』のほうが多いかも」
都内の小学校教諭の女性(3…