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2024年2月、パレスチナ自治区ガザで食料を求め並ぶパレスチナの人たち=AP

 国連開発計画(UNDP)は2日、パレスチナに関する報告書を発表し、昨年10月から続くガザ地区での戦闘による経済損失を約69億ドル(約1兆764億円)と試算した。これからも戦闘が1カ月長引くごとに、損失は2億ドル(約312億円)ずつ増える見通しで、戦闘前の状態に戻すには20年はかかると予測した。

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 報告書は、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が、今年4月までにパレスチナの社会と経済に与えた影響をまとめた。パレスチナ統計局の試算として、戦闘前の経済予測との比較でみると2023年は国内総生産(GDP)の約8・7%を失ったとみている。

 24年は戦闘前のGDPの約25・8%を失う可能性があるとし「金額にすると69億ドルに相当する」と分析した。戦闘が9カ月間までに及べば、損失は76億ドル(約1兆1856億円)に達する可能性を示し、この結果、貧困率は38.8%から60.7%に急増するとも予測している。

 また報告書は、4月12日ま…

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