ライトアップされた東京タワーの真下は、異様な熱気に包まれていた。
参院選の最終日となった19日夜。芝公園(東京都港区)の広場は、参政党の最後の訴えを聞きに集まった1万人超の聴衆でほぼ埋め尽くされた。まるで、野外ライブの会場のようだった。
その周囲に、プラカードを持った人が並ぶ。
「ヘイト集団」「噓(うそ)つき」「わたしは差別に抗(あらが)う」
参政党が掲げる「日本人ファースト」などの主張に反対する人たちだ。
街頭演説の終盤、参院選東京選挙区(改選数6、欠員1)に立候補した、さや氏(43)がマイクを握った。
「国民の声なき声をしっかりと国会に届ける。それを私にやらせてください」
聴衆から、割れんばかりの拍手が響く。
「参政党、参政党、参政党」とのコールが30秒近く続き、街頭での17日間の選挙戦を終えた。
ジャズシンガー「saya」として活動、ネット番組で政治とつながり
さや氏が参院選への立候補を表明したのは、ちょうど2カ月前だった。その際、立候補の理由についてこう語った。
「政治に無関心でいられても…