スポーツ飲料などをシャーベット状にした「アイススラリー」を運動前に飲むと、体ではどんな反応が起きるのか。筑波大の藤井直人准教授(運動生理学)らのグループが調べたところ、持久的なパフォーマンス向上につながりうる生理的な反応を確認したが、腹痛などが出て成績が落ちた人もいたという。
研究成果は学術誌(https://doi.org/10.1249/MSS.0000000000003662)に掲載された。
アイススラリーを飲むと体内の中心部の温度(深部体温)が下がり、熱中症対策や持久的な運動パフォーマンス向上につながると期待されている。だが、効果は十分に検証されていなかったという。
藤井さんらは今回、高温の環境(気温35度、湿度50%)で固定式自転車を中強度でこいでもらう実験をした。参加した20歳前後の男性12人はそれぞれ市販のアイススラリーか、37度に温めた同じ飲料を飲んだ後に運動。呼吸量や脳の血流量、深部体温の変化などを調べた。
これまでの研究をもとに、アイススラリーの摂取量は体重1キロあたり7.5グラムとし、運動前に5分間隔で5回にわけて飲ませた。
藤井さんによると、運動中に…