高校の教育課程を柔軟化できる案を文部科学省が示した。複数の関連科目を一体的に教えたり、生徒の習熟度によって必履修科目も免除できたりするなどの内容だ。
高校が多様化しており、実態に応じた授業をできるようにする狙いがある。
文科省が28日、次の学習指導要領について議論している中央教育審議会(文科相の諮問機関)の特別部会で提案した。
高校の授業は単位制。科目は、必履修科目や選択科目、地域の実情に応じた各校独自の学校設定科目がある。
卒業には必履修35単位以上を含む計74単位が必要。必履修科目の後に発展的な科目を学ぶなど、国が履修順を示したものも多い。
文科省の提案は、同じ教科内の科目を一体的に教えたり、学校設定科目で必履修科目の内容を扱ったりするもの。例えば、「化学基礎」と発展的な「化学」を一つの科目として複数年で教えたり、「数学Ⅱ」の中で「数学Ⅰ」の一部を教えたりする。
基礎に力点を置いて丁寧に学び直せたり、単位数を減らして別の科目を学べたりするなど、各校に応じた教育を想定している。
また、習熟度の高い生徒は一部の必履修を免除し、より高度な関連科目や大学など学外の講義を単位認定できる仕組みも設けるとしている。
例えば、英検準1級を取得済みの生徒は必履修の「英語コミュニケーションⅠ」を免除するなどの運用だ。
高校入試についても言及
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