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タイ東北部スリン県で2025年7月25日、カンボジア側を砲撃するタイ軍の砲兵部隊=ロイター
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 タイとカンボジアの両首脳が28日午後、大規模な軍事衝突の開始後初めてマレーシアで会談した。ロイター通信が報じた。会談には米中両国の駐マレーシア大使も同席。停戦協議を促す見通しだ。近年で異例の規模に発展した武力衝突が収束するかが焦点となる。

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 会談するのは、タイで暫定首相を務めるプームタム副首相兼内相と、カンボジアのフン・マネット首相。会談は、両国が加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)の今年の議長国、マレーシアのアンワル首相の公邸で行われた。ルビオ米国務長官は27日、声明で「トランプ大統領と私は両国の関係者と連携し、状況を注視している。この紛争が一刻も早く終結することを望む」と述べた。

 一方、フン・マネット氏はSNSで中国の代表団も出席すると記した。

 24日に始まった両国の軍事衝突は5日目に入り、各地で戦闘が続いている模様だ。両国の死者数は民間人を含めて30人を超え、避難者数も10万人規模となっている。攻撃手段も互いに過激になり、対立の過熱が収まらない状況だ。

 そんな中、会談に向けて双方の背中を押したのが、トランプ米大統領による停戦協議の仲介申し出だ。トランプ氏は26日、両首脳とそれぞれ電話協議した際、「戦闘が続いている限りは、どちらの国とも(関税)合意は結ぶつもりはない」との意向を双方に伝えた。トランプ氏は27日には、訪問先の英ターンベリーで記者団に「両国とも和解を望んでいると思う」とも述べ、停戦に期待を示した。

関税交渉を絡めた圧力で翻意か

 特に、タイは米政権との「相…

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