ロシアによるウクライナへの侵攻をめぐり、トランプ米大統領は28日、ロシアの取引国への関税を発動せずに停戦合意を待つ期間として「今日から10日間か、12日間」と述べた。今月14日時点でロシアのプーチン大統領に与えていた「50日間」から短縮した。
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英ターンベリーの自身のゴルフ場でスターマー英首相と会談した際、「待つ理由がない。寛容になりたいが、何も進展が見られない」と報道陣に語った。28日夜か29日に正式に表明するという。
トランプ氏はその後、「(今日から)10~12日」とも話した。発言通りであれば、8月7~9日ごろ、ロシアと取引する国に100%の関税が課されることになる。
トランプ氏はロシアのウクライナ侵攻について「3回ほど停戦が、おそらくは和平も実現しそうだった」と主張。「だが、突然キーウにミサイルが飛んでくる。これはいったいなんだと。3、4時間前に彼(プーチン氏)と話したばかりなのにと。こんなことが何回もあった。私はそれが気に入らない」とした。
トランプ氏は今月14日、ロシアが「50日以内」に停戦に合意しない場合の新たな関税措置を発表。28日はそれから2週間目となり、「プーチン大統領にはとても失望している」と述べた。
猶予期間を短くする理由については「何が起こるか、私は答えを知っている」と説明。トランプ氏としては、プーチン氏が「50日間の猶予」を気にかけず、現時点では停戦に合意するつもりがないと結論づけていることを示唆した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は28日夜のビデオ演説で「トランプ大統領から極めて重要な発言があった」と指摘。「和平努力を損ない、戦争を長引かせるためにあらゆることを行っているのはロシアだ」と訴え、米国やトランプ氏と今後も密接に協力していく考えを示した。