「これでやっと、安心できますわ」
大阪府枚方市内にある公営住宅。一人で暮らす男性(82)は、そう言って笑顔をみせた。
6月初め、頼れる身寄りがいない高齢者を対象に、市社会福祉協議会(社協)が実施する「ひらかた縁(えん)ディングサポート事業」を契約した。
この事業では、定期的な見守り・安否確認のほか、付き添いや緊急連絡先を引き受けるなど入退院時の支援、亡くなった後の葬儀や納骨、家財処分など「死後事務」の提供も受けられる。
ただ、本人の死後、口座にお金があっても、社協がそれを葬儀や家財処分などを実施した業者への支払いに使うことはできない。そのため、あらかじめ費用を社協に預ける必要がある。預託金の額は、医療費の清算用を含めた定額50万円と、家の広さや荷物の多さに応じた家財処分の見積額。また、入退院時の支援にも、その都度、1回1千円など一定の利用料がかかる。
家族はいても「疎遠」
男性は、身寄りに頼れず一人で暮らしているが、家族がいないわけではない。
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