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大津地裁=大津市京町3丁目

 滋賀県長浜市の住宅の冷凍庫に妻の遺体を遺棄したとして、死体遺棄罪に問われた堺市のアルバイト清掃員、野中秀紀被告(63)ら3人に対する初公判が29日、大津地裁(畑口泰成裁判官)であり、野中被告は起訴内容を認めた。

 この住宅に住み、死体遺棄幇助(ほうじょ)罪に問われた無職岩瀬浩一郎被告(72)と、息子で長浜簡易裁判所事務官の龍彦被告(49)も起訴内容を認めた。

 起訴状などによると、野中被告は2020年9月7日ごろ、妻まりこさん(当時53)が死亡していることを知りながら、同9日ごろ、姉の元夫・浩一郎被告宅の大型冷凍庫内にまりこさんの遺体を遺棄したとされる。浩一郎被告と龍彦被告は冷凍庫の電源を維持し、周囲に消臭剤を置くなどして死体遺棄を助けたとされる。司法解剖で、まりこさんの死因は判明しなかった。

 検察側は冒頭陳述で、野中被告のもう1人の姉(故人)が、架空の借金返済話などをきっかけに親族間で影響力を強め、不満や不平を述べるまりこさんに暴力を振るうよう他の親族に指示。まりこさんは歩行が困難になるなど徐々に衰弱していったと指摘した。

 まりこさんが住宅の1階和室の布団の上で死亡しているのに最初に気付いたのは浩一郎被告。暴力が発覚することなどを恐れ、親族間の「電話会議」で遺体の遺棄が決められ、冷凍庫の使用は野中被告の提案だったとした。

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