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夏の甲子園で始球式を務める中京大中京高の森本愛華さん=名古屋市昭和区、辻健治撮影
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 8月5日開幕の第107回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)で、開幕試合の始球式を中京大中京(名古屋市)の女子軟式野球部に所属する森本愛華さん(3年)が務める。

 森本さんは、手でボールを打つ男女混合のスポーツ「ベースボール5」の日本ユース代表。3月に台湾で開催されたアジアカップで優勝し、女子の最優秀選手に選ばれた。

 始球式で女性がマウンドに立つのは、元文部相の森山真弓さん(故人)、スポーツキャスターの長島三奈さんに続いて3人目。女子生徒が務めるのは森本さんが初めてだ。「野球の競技人口が減っているけど、女子野球は広がってきている。野球やベースボール5をもっと知ってもらい、野球を始めるきっかけにしてもらえるような投球をしたい」と意気込む。

 3歳上の兄の影響で、小学3年から野球を始めた。左投げ左打ちの投手で1番打者。110キロ台の直球と、決め球となるスプリットを駆使して中京大中京ではエースとしてチームを引っ張る。背番号17は大谷翔平選手(ドジャース)のように投打の「二刀流」で貢献したいとの思いで自ら選んだ。

 チームが冬場のトレーニングの一環としてベースボール5を導入したのを機に、森本さんはトライアウトを経て日本ユース代表入りした。

 人生で初めての海外旅行がアジアカップの台湾遠征だった。将来は得意な英語を生かしてキャビンアテンダントになるのが夢。9月にメキシコで開催されるユースワールドカップで再び代表入りをめざしていて、さらに国際経験を積みたいと考えている。

 この夏の甲子園は、創成館(長崎)と小松大谷(石川)が開幕試合で顔を合わせる。始球式で森本さんは、アジアカップでユース代表の主将を務めた横浜隼人(神奈川)の硬式野球部3年の平野将梧さんとバッテリーを組む。

 「毎日ずっと緊張しています」と森本さんは本音を口にしつつ、「ピシッと力のあるストレートを投げたいです」と表情を引き締めた。

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