イランのアラグチ外相は、広島、長崎への原爆投下から80年を迎えるのを前に、朝日新聞など一部日本メディアに寄稿した。イラン・イラク戦争時に化学兵器の攻撃を受けたイランは、日本と苦難を共有していると強調し、両国は核・化学兵器を含む大量破壊兵器の廃絶に向けて「世界的な運動を先導すべきだ」と訴えた。
- 原爆正当化するな トランプ氏の「広島・長崎」発言に被爆者ら抗議
アラグチ氏は寄稿で、広島、長崎への原爆投下について「核兵器の破壊力の恐怖を証明する」ものとし、「被爆者は身体的にも精神的にも癒えることのない傷を負い、その惨劇を平和と軍縮を訴える不断の活動へと昇華させてきた」と述べた。
トランプ米大統領が6月、北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議の際、米軍によるイラン核施設への攻撃について「あの攻撃が(イスラエルとイランの)戦争を終結させた。広島や長崎の例は使いたくはないが、本質的に同じことだった」と記者団に語ったことに関し、アラグチ氏は「(トランプ氏の)発言は、単なる歴史的過ちにとどまらず、犠牲者の記憶と今なお後遺症に苦しむ人々の尊厳への深刻な侮辱だった」と非難した。
寄稿の要旨が記事後段にあります。
化学兵器攻撃による被害を近代史に刻むイラン
そのうえで「イランにおいて…