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【動画】はなまるうどん、丸亀製麺、資さんうどん、群雄割拠の「うどん三国志」=西田堅一撮影

 讃岐うどんチェーン大手「はなまるうどん」を展開するはなまる社長の前田良博(48)は昨年夏、讃岐うどんの本場を訪れ、ある人物に面会を求めていた。

 面会を望んだ相手は香川隆昭(63)。香川県内56のうどん事業者が加盟する「本場さぬきうどん協同組合」の理事長だ。

 高松市内の居酒屋で実現した会合で、前田ら同社幹部は香川に頭を下げ、こう切り出した。

 「うどん作りの技術を、うちの社員につけていただけませんか」

はなまるを脅かすチェーンの存在

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「正真正銘」「実家ですから」とうたう、はなまるうどんの広告。香川県発祥のうどんチェーンを猛烈にアピール=2025年1月、高松空港内、和田翔太撮影

 うどんチェーン大手のトップが競合関係にある本場のうどん業界に、定期的な社員研修への協力を求める。異例の要請だった。

 このとき前田は具体的な社名を口にしなかった。だが香川には、はなまると同じ年に創業し、同様に讃岐うどんを看板に掲げる最大手チェーンの存在が思い浮かんだ。

 「丸亀さん(丸亀製麺)を相当意識している。本気でやるつもりだな」。香川は懇願する前田の姿勢を好意的に受け止め、協力を決めた。

 はなまると、うどん協同組合との連携が水面下で進むなか、はなまるをめぐり、うどんファンや香川県民を驚かせるもう一つの動きが今年1月、表面化した。

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香川県内で修業するはなまるうどんの従業員(右)。本場さぬきうどん協同組合の香川隆昭理事長が見守った=2025年2月17日午後3時2分、香川県綾川町滝宮、和田翔太撮影

元日付の全面広告 大々的なPRの狙いは

 「1月1日、株式会社はなまるの本社は、香川県高松市へ」

 こんな全面広告が元日付の地…

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