横浜市長選は、「オール横浜」を掲げた現職の山中竹春氏が、自民党、公明党、立憲民主党による相乗りなど、幅広い支援を受けて圧勝した。公開討論会を連続して欠席してSNS上では「議論から逃げた」と批判を浴びたが、市を二分するような争点がなく投票率が低下するなか、支持は揺らがなかった。
- 横浜市長選 現職の山中竹春氏が再選確実に 田中康夫氏ら5氏破る
開票の結果
663,876 山中 竹春 52 無現 (2)
264,740 田中 康夫 69 無新
148,236 福山 敦士 36 無新
115,939 高橋 徳美 56 無新
50,454 斉藤 直明 60 無新
33,512 小山 正武 76 無新
(確定得票)
山中氏は、初当選した前回2021年は立憲民主党が推薦し、共産党などが支援したことで、自民党系2候補らを破った。結果、1期目は自民が最大会派を占める議会の対策で苦労した。
再選をねらう山中氏がめざしたのが各政党との「等距離外交」を意味する「オール横浜」の構築だ。昨年11月には経済界が中心となり、後援会を発足。連合神奈川のほか、各種業界団体もついた。政党では、立憲民主党だけでなく、自民党、公明党も地方組織が支援した。共産は「党として支援する立場はとらない」とする一方、対立候補の擁立は見送った。1期目より幅広い支援を受け、盤石の戦いぶりだった。
山中氏に新顔5氏が挑む形となり、批判票が分散したことにも助けられた。前回はカジノを含む統合型リゾート(IR)構想の是非が争点となったが、こうした大きな争点がなかったことなども投票率を下げる要因となり、組織票の支援を受ける山中氏に有利に働いた。
公開討論会欠席に批判も
選挙戦では、山中氏の課題も…