北海道せたな町にある日本第1号の洋上風力発電の風車「風海鳥(かざみどり)」が、2026年度中に解体撤去される方針が決まった。全国に先がけて約7億円で建設された2基の風車は、耐用期間を超えて約20年間稼働した。解体撤去費の見込みは約4億円で、洋上風力発電の「終活」の先例になりそうだ。
瀬棚港の湾内に2004年に建設された風車は高さ64.2メートル、最大出力600キロワット。現在は2基とも故障で停止している。この風車が呼び水となって二つの巨大陸上風力発電所(ウィンドファーム)が誕生するなど、せたな町が道内有数の「風力の町」に変わるきっかけとなった。
作業現場が海のため、解体撤去は陸上に比べて費用がふくらむ。せたな町はいかに低コストで撤去できるか検討を重ねてきたが、6月の補正予算に撤去に向けた調査設計費4千万円を計上した。「港の浚渫(しゅんせつ)をせずに風車を撤去できるメドがついた」と説明しており、26年度予算には、解体撤去費約3億5千万円を計上する方針。
建設時は国の半額補助があっ…