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2025年6月25日、オランダ・ハーグで開催された北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席したスウェーデンのクリステション首相。代表撮影=ロイター

 首相の「相談相手」が生成AI(人工知能)で良いのか――。北欧スウェーデンで、首相が国政運営にあたってAIに頻繁に意見を尋ねていると明かし、波紋を呼んでいる。機密情報の漏洩(ろうえい)リスクや、AIに過度に依存して誤情報をうのみにする危険性もあり、批判を受ける事態になっている。

 問題となったのは、3日に配信されたスウェーデンのビジネス紙によるクリステション首相へのインタビュー記事。首相はインタビューの中で、ChatGPT(チャットGPT)などの生成AIを、「他の人ならどうするか。全く逆のことを考えるべきなのか」といった「『セカンドオピニオン』を得るために、かなり頻繁に使っている」と語った。また、首相の同僚らも日常業務でAIを活用していると述べた。

 これに対し、地元紙は「テック・オリガルヒ(寡頭政治)のAI狂信に陥った」と批判する社説を掲載。AIの専門家からは、機密情報がAIの学習データとして使われるリスクや、事実と異なる回答を生成する「ハルシネーション」をそのまま信用してしまう恐れがあるとの懸念も出ている。

 一方、首相の報道官は、機密…

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