【動画】鹿児島市の錦江湾を約4キロ泳いで渡る「錦江湾横断遠泳」に今年も鹿児島市の小学生が挑戦した=宮田富士男撮影
鹿児島市の錦江湾で、桜島から対岸まで4.2キロを泳ぐ「錦江湾横断遠泳」に、地元の小学生たちが挑戦した。
大正時代に始まった伝統行事。薩摩藩が奨励した水練が下地になったとみられる。
遠泳に取り組む小学校2校のうち、清水小は1日に実施。そのなかに、母親が同小の卒業生という縁で、茨城県からこの遠泳に挑戦しようと1学期限定で転校してきた大須賀春樹さん(小4)もいた。
最初は泳げなかった春樹さん。錦江湾の水深は平均で100メートルを超す。そんな海も怖かった。
平泳ぎも苦手だった。遠泳は隊列を組んで平泳ぎで進むため、周囲に遅れるなら失格だ。遠泳経験者で小6の兄、悠真さんから「腕をもっと伸ばして」と教わり、スピード不足を克服した。
全体練習は5月から。挑戦を希望した小学4~6年の仲間とともに連日の練習の末、「3千メートル90分以内」などの参加条件をクリアしてきた。
本番当日、桜島から出発した春樹さんら52人は130分かけ、対岸にゴールした。
茨城県から駆けつけ、船から見守った父の達郎さん(39)は、息子の成長を感じたという。「普段はひょうきんな子が、一生懸命な顔をしていた」と感極まった様子。一方の春樹さんは「普通に泳げた。全然疲れなかった」と余裕の表情だった。