気象庁は8日午前5時、鹿児島県霧島市に大雨特別警報を発表した。これまでに経験したことのないような大雨となっており、最大限の警戒を呼びかけている。
気象庁によると、鹿児島県では8日未明から明け方にかけ複数回、線状降水帯が発生するなど、大雨災害の危険度が急激に高まっている。霧島市では午前6時までの12時間に観測史上最多となる495.0ミリの雨が降ったという。この時期の約2カ月分の雨が、半日で降った計算になるという。
九州北部や本州の南岸にかかる前線に向かって、東シナ海から非常に暖かく湿った空気の流入が続いているという。今後2~3日、前線は同じような位置で停滞する見通し。8日午後6時ごろまで、鹿児島県を含む九州南部のほか、北陸、東北、北海道では、警報級の大雨となる可能性が高い。特に、九州南部では9日まで警戒が必要な状態が続くと予想されている。
その後、前線はやや北上し、10日以降は中国地方でも警報級の大雨のおそれがあるなど、気象庁は最新の情報に注意するよう呼びかけている。
鹿児島県の防災ホームページによると、午前6時10分現在、霧島市と鹿児島市の12万2485人に、警戒レベルが最も高い5にあたる「緊急安全確保」が出ている。警戒レベル4の避難指示も、9市町で約21万人に出されている。
県内では110カ所に避難所が開設され、23世帯50人が避難している。また、薩摩川内市で1件の床上浸水の情報がある。