南極大陸の内陸東部で、世界平均を上回るペースでの気温上昇が観測された。氷が厚く、地球上で最も寒い東南極で初めてという。名古屋大、国立極地研究所、北見工大の研究グループが7日、研究成果を発表した。最低気温が零下80度ほどにもなり、アクセスも難しい内陸域は観測の空白域だったが、日本がもつ内陸拠点で30年間観測したデータを解析した。英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に掲載された。
昭和基地から1千キロ離れた大陸内陸のドームふじ基地(南緯77度)や、中継拠点(同74度)、みずほ基地(同70度)には無人の気象観測装置があり、1990年代から気温を観測している。これらのデータを解析した結果、93~2022年の30年間で約1.5~2度上昇し、世界平均(約0.6~0.7度)より速いペースであることがわかった。
研究グループは、南インド洋…