約3年半にわたって続くロシアのウクライナ侵攻をめぐり、トランプ米大統領は8日、ロシアのプーチン大統領との首脳会談を、15日に米アラスカ州で開催するとSNSで発表した。ウクライナにとって最大の支援国である米国と、攻撃を緩めないロシアの首脳会談は侵攻開始後初めて。トランプ氏が求める停戦実現へ前進するかが焦点だが、ロシア側は会談を利用して「時間稼ぎ」をするとの見方もあり、予断を許さない。
- ロシアの取引国への制裁は「プーチン氏次第」 トランプ大統領が表明
ロシアがウクライナへの侵攻を始めたのは2022年2月24日。第2次世界大戦後の国際秩序を揺るがす事態に当時のバイデン米政権は日本を含む同盟国とともにロシアを糾弾し続けたが、後任のトランプ氏はプーチン氏への親近感を隠さず、それまでの米国の立場を一変させた。「戦争を1日で終わらせる」。そう豪語するなど早期停戦に自信を示して今年1月に就任。2月にプーチン氏との電話協議で米ロ交渉開始を決めると、ウクライナのゼレンスキー大統領を「あなたには(取引の)カードがない」と罵倒し、「ロシアとの和平を困難にしている」などと侵略される側のウクライナを非難した。
しかし、トランプ氏が少なくとも6度にわたって電話協議しても、プーチン氏は即時停戦に応じなかった。業を煮やしたトランプ氏は就任以前の姿勢を転換。新たな対ロ制裁を導入すると脅しつつ、ウィトコフ米特使をモスクワに送り、6日にプーチン氏と会談させた。
この会談で合意されたのが、トランプ氏とプーチン氏の対面による首脳会談だ。
トランプ氏の誤算 想像超えたプーチン氏の「要求」
当初、極端なロシア寄りの姿…